たれくまのつぶやき

3月11日。

12年前。
ちょうど干支が一回り。
2011年3月でした。

あの日、
あの時間。
私は地下鉄に乗っていました。


まるで波に揺さぶられる
ヨットのように、
左右に揺れる車両。


何が起こっているの?
という疑問より先に
「変な揺れ方」
という感覚だけ。

急ブレーキがかかり、
ますますよくわからない状況になる。

運良く、駅から遠くない距離だったようで
数分後には再稼働し、
次の駅へ到着。


改札を出たらそこは、
まるで映画のワンシーンのよう。

静まり返っているかと思うと、
民族大移動のような人の数。


アポイントのある会社へ
なんとかたどり着き
会議室へ通されてから
初めて何が起こったか聞かされる。

そこからはひたすら、

歩く』。



取引先から勤務先まで、
勤務先から東京駅まで。
帰宅は不可能なので
泊まれる場所まで。

特に取引先から会社へ戻る道のりは
ビルから落ちた窓ガラスが散乱していたり
どっちの方向へ行けばいいかわからなくなったり。

なんとか会社まで戻り、
帰宅できないことも考えて
最寄りのコンビニまで行くも、
ほとんど何も残っておらず
とりあえずペットボトルの水は確保。

勤務先では一晩過ごせそうにないので、
解放されている友人の会社へ。
運良くそこまではJRで二駅ほどの距離。


なんとか食べ物をお腹に入れて、
水分をとって、
安全なところで休めたのは幸運でした。

翌日、帰宅しようと思い
状況を確認するためにテレビをつけたら、
「人の洪水に襲われる東京駅」の図。

「電車に乗れるのだろうか」
という不安もあったけれど、
ひとまず移動、なんとか乗車。

いつも以上に時間はかかったけれど
翌日午後から自宅で過ごせたのも幸運。


思い返すと、もっともっと
いろんなことがあったけれど、
こうやって無事にいられるだけで幸運。


健康でいられること
毎日暖かいご飯が食べられること
安心して夜眠れること

これだけでも、本当に恵まれていると思う。

持っていないものを追わず
手の中にあるものに感謝し
側にいてくれる人を大切に


*写真は「イエメン」のもの。(開催中の写真展)
 アラブの春以降、未だ終わらない色んな戦い。

アバター

『流しのOL』として日本を回遊しておりましたが、 なぜか中東へご縁の橋が掛かり気がついたら国外へ。 イエメンを皮切りにエジプトへと流れて行きました。 そしてふと気がついたら現在なぜかParis暮らし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA